お見合いパーティーは夜の7時から。
私は仕事を早めに切り上げて会社を出ました。
会場に到着したのは10分前ぐらい。
入り口のところの受付に何人かの男女が並んでいました。
ちょうど混む時間帯だったようで、
私の後ろにもすぐに列が出来ました。
そのとき、体に電気が駆け抜ける感覚が走る。
私の真後ろに並んだ女の子のなんとも可愛いこと。
一瞬だけその娘と目が合いました。
向こうがすぐに目をそらしたので、
私もすぐに前を向きました。
すぐ後ろに美少女が立っていると思うと胸がドキドキ。
受付のときも緊張のためか声が上ずってしまいました。
財布からお金を出すときも手が震えてもたついたし、
受け取ったプロフィールカードも床に落としてしまって
みんなの注目を浴びてしまいました。
みんなの視線から逃げるように会場の中に入りました。
会場は座席とテーブルでギュウギュウ詰めになった喫茶店といった雰囲気。
思っていた以上に隣の席と近い。
受付で渡された番号札と同じ番号の席に座り、
あたりを見渡してみました。
すでに20人以上の人たちが席につき、
プロフィール用紙の記入を行っていました。
友達同士で来てると思われる女の子の3人グループが、
隅の方で固まって話をしていました。
その子たちの声だけがやけに会場内に響いていた。
プロフィールカードにはたくさんの記入項目があった。
趣味や職業の他にも、学歴や年収、デートで行きたい場所なども。
趣味の欄には何と書くべきか迷いました。
「ゲーム」とか書いてしまったらオタクと思われて嫌われてしまうのではないだろうか。
じゃあ何と書けばいい?
何も用意してこなかったことを後悔しました。
こういったことは事前に考えて来るべきでした。
そうやって迷っている間に時間は過ぎていき、
スタッフの女性がマイクを手に登場しました。
これからパーティーを始めますと宣言。
仕方ないので趣味には「ゲーム」と書きました。