2回目のパーティーの日が来た。
外は今にも雨が降りだしそうな感じだった。
空は濃い灰色の雲に覆われていて縁起が悪い印象を与える。
今日のお見合いパーティーの行く末を暗示しているかのようだ。
「きっと上手くいく」
私は自分に言い聞かせた。
恐怖心のようなものがこみ上げてきてパーティーに行く気持ちを失わせようとするから。
でもここでやめてしまったら私は一生彼女などできないだろう。
一生恋愛経験なしのまま淋しく死んでいくのだ。
「大丈夫。今度は上手くいく。上手くいく」
呪文のようにその言葉を心でつぶやき続けた。
会場に到着するまで私は自分を励まし続けた。
逃げ出したいような気持ちを抑えるのに苦労した。
前回のお見合いパーティー初参加のときの方が恐怖心が少なかったのは何故だろう?
会場へのエレベーターの前にはすでにたくさんの男女がいた。
30代前半ぐらいの人が中心だ。
みんないい服を着ている。
私は洋服のセンスがないのかもしれない。
みんながまぶしく見える。
このエレベーター待ちをしてい連中の中で私は一番ダサいように思える。
会場につくと受付は人がいっぱいだった。
前回のエクシオのときより明らかに参加者が多い。
列に並んで自分の順番がくるまで10分近くかかった。
ホワイトキーはかなり人気のあるパーティー業者らしい。
今日が日曜日であることも大きいのかも。
前回は平日の夜だった。
受付を済ませると驚いたことにスタッフが席へ案内してくれた。
こういう係の人まで用意するとは随分サービスがいい業者だ。
見たところ他にもうひとりスタッフがいるようだった。
スタッフが全部で3人もいる。
前回と同様まずはプロフィールカードへの記入だ。
私はここでちょっと工夫をこらした。
親しみやすいよう冗句を盛り込んだのだ。
仕事の欄に「カレーライス」と書き込んでみた。
趣味の欄には「ナイフ投げ」と書き込んだ。
お見合いパーティーなどではきっとこうしたユーモアが大事なのだ。
クソ真面目な男など面白くもなんともないではないか。
女性だって面白い男性が好きなのだろう。
お笑い芸人とか人気があるし。
プロフィールを書き終わると司会役のスタッフがちょうど話を始めた。
進行の順序や諸注意を簡潔に話していく。
いよいよ始まるのだ。
今度はきっと上手くいく。
2時間後には私にも人生初の彼女がきっと出来ているはず。